第3章 結ばれる緣
少し喉に違和感があるようなので治癒をして、一緒に寮を出た。外泊届は既に棘が出していた。用意周到すぎる…いつから決めていたんだろう。
棘の服の裾を掴みながらついていく。棘は手を繋ごうとしたけど、私はずっと左側にいた。次は手を繋ごう。
連れて来られた場所は…屋敷というには小さいかもしれないけど、少し大きな家。標識には"狗巻"と書かれていた。
「棘の家?」
「しゃけ」
なんで棘の家に?とは思ったけど、ちゃんと教えてくれるだろうと、聞くことはしなかった。
インターホンを押すと棘に似た男女が出迎えてくれる。棘の両親だ。頭を下げて自己紹介をすると中に通されて、部屋に入る。
「え?……棘?」
私の両親がいて、さすがに棘に説明を求めた。
「ツナマヨ」
"これから話す"と座らせられ、母の隣に座った。私の家族と棘の家族が向かい合う。なにこれ…棘を見ても、少し緊張しているような面持ちで、まだ話してくれる気はないようだ。
「祝詞さん、棘はあまり子供を作ることを良しとされていません。狗巻家では、呪術師を絶やすことを目的とし、その中で棘は呪言を相伝して産まれました」
棘のお父さんが淡々と話し始める。子供?確かに棘の子供が産まれたとしたら、受け継がれる可能性は高いと思う。でもなんで、私にそんな話を?
「結婚……しゃけ?」
「え……ま、待って…私と?したいの?」
頷く棘を見て、心臓が音を立てていく。でも同時に、棘との間に子供が産まれたら……言葉を奪わなければいけなくなるかもしれない。そう思った。