第2章 恋が愛に変わるまで
目が覚めると私は高専の処置室にいた。重い瞼を瞬かせながら辺りを見渡す。隣のベッドに棘が座っていた。上半身裸で包帯を巻いて…棘の左腕はどこにもなかった。夢ではなかった。
「棘、ごめんね…ごめんねっ……私が…っ……」
「す〜じ〜こ!おかか!」
"大丈夫、君のせいじゃない"と怒られてしまった。優しい棘の欠損…なら――私がこの人の左腕になろう。この時、固く誓った。それは、"絶対に離れない"という意味。
棘のベッドに潜り込み、腰に抱きつく。棘はただ、背中を撫でていた。
私たちにはまだやる事がたくさんある。それでも今だけは…この温度を感じていたかった。
「棘…全部終わったら、聞いて欲しいことがある」
棘はただ笑った。
そのあと私は、みんなと悟を助ける為に動いて、棘は療養していた。こんなにも離れていたのは、後にも先にも、この時だけだろう。