第2章 恋が愛に変わるまで
擽ったさに目が覚めて意識がはっきりしてくると、その擽ったさの正体に気付いた。顎や耳、首等に何度もキスをされている。でも、唇は一度も重ならなかった。
カプッと顎を噛まれて肩が跳ねる。クスクスと笑う棘の声に、ゆっくり目を開けた。
「しゃけ」
「あ…しゃけ……じゃなくて、おはよ…」
つられて"しゃけ"と返してしまい、恥ずかしくなる。それにも棘は笑い、ゆっくり起き上がった。肌に冷たい空気が当たる感触に、慌てて布団を手繰り寄せる。
服が胸の近くまで捲れていて、見えたかもしれない。しかも、ブラはつけていない。寝る前はたぶん棘は気付いていなかったかもしれないけど、今は気付いたかもしれない。
「ねぇ…見えた?……棘、触った…?」
「おかか」
「ほんとに?」
棘が真面目な顔をして「しゃけ」と答えたので、信じることにした。たぶん棘は、重要な部分には触れない。キスもしない。もしするとしたら…私に聞くだろう。
「ツナ、マヨっ」
布団ごと私を抱き起こし、私の鞄の中から着替えを持ってくる。下着まで持たないで…お願いだから…。恥ずかしさに布団を頭まで被った。