第2章 恋が愛に変わるまで
また季節がほんの少しだけ進み、姉妹校交流会前日。京都校の寮の空き部屋に泊まり、ベッドに入ろうとしていた。でも扉をノックされて、返事をして出る。
「わっ!だ、誰……棘?」
扉を開けた瞬間、影が落ちて抱き締められた。誰かわからなくて怖かったけど、ふわっと鼻腔を擽った香りに安心する……のも束の間、すぐに心臓が暴れ出す。
棘は右手で私を抱き締めたまま、左手で扉を閉める。鍵まで閉めてくれた…。お尻を持ち上げて移動するので、触れられているのと重くないのかで余計に心臓がうるさい。
「ちょ…棘…?」
ベッドに降ろされ、そのまま布団の中に押し込まれた。棘も電気を消して隣に入ってきて、私の腰に手を置きながら目を瞑った。
「棘、寝るの?バレたら怒られるよ…」
それよりも私の心臓を落ち着かせて欲しい。棘が近い…どんなに際際なことをされても、慣れるなんてことはない。
服を捲り脇腹を撫でた指に、息を呑む。もどかしく撫で続け、私の息が荒くなっていく。なんでいつも、棘のペースに流されてしまうんだろう。
「……しゃけ」
「しゃけじゃないぃ…っ…寝れない…」
"おやすみ"なんて言われて、眠れるものか。
そう思っていたら、脇腹を撫でていた棘の手が髪に移り、私が眠るまでずっと撫でていた。