第10章 俺を見てください。*nino*side
『大学2年の夏、
晃の誕生日を祝おうと思って
サプライズをたくらんです。』
そこらへんからだ。
彼女の目が潤み始めたのは…
『料理とか飾りつけとかして…
バイクであたしの家に来る彼を
待ってたんですけど…』
「莉子 ちゃん、大丈夫ですか?」
もしかして…彼は…
『トラックの運転手さんが
飲酒運転してて…
彼に衝突して…それで…それで…』
大粒の涙を流す彼女を
俺は力いっぱい抱きしめていた。
『…ウッ…あたしが…ウッ…
あたしが晃を殺したんです…
あたしが…』
「あなたじゃないでしょ?
大丈夫ですよ…大丈夫です。」
その間ずっと俺は莉子 ちゃんの
頭を撫でていた。