第10章 俺を見てください。*nino*side
『晃っていうのは恋人だった人です。』
「だった…人?」
別れたってことですか?
そんな疑問もあったが
彼女は話を続けた。
『晃とは大学で知り合ったんです。
友達同士のキューピット役から
始まったんです。』
「キューピット役…それで?」
『そう。
でも、その友達同士は付き合って
すぐ別れちゃったんですけど、
あたしと晃は結構、会ってて…
すごく気があって、
大学1年の冬に付き合ったんです。』
その間の晃さんとの話をしてる
莉子 ちゃんの顔はすごく
嬉しそうだった。
本当に彼を愛してたんだ。
心から…愛してたんだ。
でも、そんな彼女の笑顔は
なくなった。