第9章 忘れない人
『これ、どうぞ…すいません』
「ヨダレ…こんな出した人
初めて見ましたよ?ふふふっ」
そう笑いながらあたしの貸した
大きめのパーカーを着ようとして
二宮さんがTシャツを脱いだ。
『きゃっ!すいません!』
「ははっ…すいませんって…
ねぇ…着替えましたから…
こっち向いてください?」
そう言われたので
後ろを向くと二宮さんは
パーカーを着ていた。
「着てないかと思ったでしょ?
ちょっと期待しました?」
『え!?な、ないですよ!
そんなわけ…ありません!』
「慌てすぎ…ヨダレちゃん?」
なんて笑いながらあたしの頭に
デコピンをしてリビングへ行った。
『ヨダレちゃんって…もう』
頭を押さえながらあたしも
リビングに行った。