第9章 忘れない人
『二宮さん』
「はい?」
『あの…』
「はい」
『なんで、あたしを
見てるんですか?』
あたしの隣で肘をつきながら
あたしをジーっと見てる二宮さん
「可愛いからです。」
『………見ないでください!』
あたしはクッションで顔を隠した。
勘違いするな!勘違いするな!
だめでしょ…恋は…
恋は…しちゃだめ。
もう…しちゃだめ。
「莉子 ちゃん?」
『二宮さん……あたし、
あたし、もう大丈夫です!』
「だーから!
今日はいいんで…『本当に!』
大きいを出したあたしに驚く二宮さん
ごめんなさい。
でも、あたし…
『今日はその…本当に…すいません』
「わかりました。
俺もくどかったですね。でもお大事に。
ちゃんと食べるんですよ?」
そう笑いながらあたしの頭を撫で
部屋を出ていった。
ごめんなさい。
そんな悲しい笑い方をさせてしまった。
ごめんなさい。