第34章 迎えに行くから*nino*side
「ねぇ…岸谷くん…」
そう呼ぶと運転席に座る
マネージャーの岸谷くんが
はい?といつも通りのトーンで
返事をする。
このトーンが続けばいいけど…
「あのさ…
俺…結婚したい人がいるんだ。」
はぁ…全神経、今口にいってる俺。
「まぁ…うすうす気づいてましたよ?
ていうか嵐さんの僕に対するサービスが
最近多いんですもん。見るからに…」
その話を聞いて自然と笑みがこぼれる。
みんな…ありがとうね。
「で、結婚したいんですか?」
「え…いいの?」
「別に結婚禁止なんてのは
契約にありませんから…
俺はスケジューラーですよ?
二宮さん自身のことはご自分で!」
ちょっと…涙腺ゆるむわ…
抱きつきたいところをグッと堪えて
目線を岸谷くんにやる。
「もう…やめてくださいよ~!
あ、社長に言うときは言ってください?
車とか場所は手配するので…」
「…うん…ありがとう」
本当にあなたがマネージャーで
わたし、本当によかったわ…。