第30章 未来?*nino*side
電話越しから聞こえたのは
莉子 の声じゃなくて
幼い男の子の声
〈うんち~!
おまえ莉子 の彼氏なのか~?〉
「へ?」
思わず俺の変な声に
メンバーが俺を見る。
どうなってんの?
この子だれ?
〈ちょっと、翔ちゃん!
返しなさーい!〉
「あ!莉子 ?」
電話越しからでも分かるわ。
焦ってる莉子 の声
〈あ、和也!
ごめん!ちょっと翔ちゃんが…〉
“翔ちゃん”ていう
ワードにビクッとして、
こちらの翔ちゃんを見る。
うん。いるよね。うん。
ちょっと翔ちゃんが
不思議そうな顔をしてるけど。
〈また帰ったら話すから!
できるだけね…早く帰ってきてね?
あたし…翔ちゃんにっ!〉
〈襲ってやる~!〉ピッ
え…。
翔ちゃんに?何?襲ってやる?
ちょっと分かってるんですよ…。
でもね?
今日、早く帰ります。