第29章 幸せにします。
あたしはドアを開けて
和也をギュッと抱き締めた。
「え…莉子 さん…?」
完全に戸惑ってる和也
あ…これ一番のお仕置きかな?
『やっと抱き締めれた。
怖かったんだと思う。
和也があたしから離れるとか…
考えちゃったの。あたし…
まとめとしてはね?
あたし二宮和也に飢えてたの…』
ふっと笑ってる和也だけど
ちょっと鼻をすする音がする。
泣いてる?
『そりゃあ…嫌だよ?
和也が女優さんとなんて…
でも和也に抱きつける距離に
和也がいるか、いないかが…
あたしにとったら重要なの。』
「莉子 さん?
俺ね、幸せにするとか言ったけどさ
無理かもしれない。
余裕ないし…あなたを傷つける。
ごめんなさい。」
そう言う和也の体は
ちょっと小さく見えた。