第29章 幸せにします。
『思ったんだ。あたし…
二宮和也の彼女だよ?
それだけでも贅沢じゃん?
不安とかさ…あるけど
それすら贅沢だと思ったの。』
うん。
大野さん、あたし約束します。
こんな小さな弱い和也をね?
『だから、とことん贅沢します。』
「え?」
『あたしはあなたが
幸せにできないなら…
あたしがあなたを幸せにします。』
そう言ってより強く抱き締めた。
「莉子 …」
『それでいいじゃん。
だってあたし和也といるだけで
幸せだもん。
だから、あたしも
和也を幸せにする存在になる…んっ』
あたしの言葉を塞いだのは
きっと恋しかった和也の唇だった。
うん。幸せにするよ?