第26章 すれ違い
「あった!…って莉子 ?」
ビールを持ってきた和也は
あたしの顔に驚いていた。
だって涙が流れてるんだもん。
当たり前だよね…。
でもね?止まんないの。
「は?なに…どうしたの…」
『何もない!ウッ…』
「何もなくないでしょ?
…俺が最近、遅かったから?
ごめん…こういう仕事だから…」
『違うの!そんなの分かってる!
あたしは二宮和也っていう芸能人の
彼女なの!
でも…ウッ……あたし強くないの!
一人の夜だって…ウッ…
でも朝には和也の顔みたら、
がんばれる気がしたの!』
あぁ…もう顔ぐちゃぐちゃだ。
どうしよう。
止まんないの。
「じゃあ…えみちゃんのこと?」