第26章 すれ違い
『ねぇ…和也…』
「ん~?…あれ、どこだっけ?」
まだビールが探せない様子
和也…聞くからね?
『朝井えみ…さんって…
ヒロイン役だよ…ね?』
どうしよう、恐い…
恐くなっちゃった。
「そうですけど?
それが何か?」
それが何か?って…
和也ニュースとか新聞読んでないの?
それかマネージャーさんとかに…
それが何か?って酷いよ。
あたし、恐いのに…
『可愛いの?実物はやっぱり』
あたし何で止まんないの?
これじゃあ自分で自分を苦しめてるよ?
「んーっと…可愛いというか
細いですかね?
ちゃんと食べてるのかなって感じ?」
いつものあたしならね?
へぇ~いいなぁ。とか言えるの。
でも、あたしは和也の
体を心配してたんだよ?
昨日の夜……何してたの?
頭のどこかで何かが
プツンと切れる音がした。