第23章 強い心
ガチャッ
『はーい…どちらさ……和也…?』
そこには愛しい彼の姿
でも、やっぱり悲しそうで
息切れをしている。
「…莉子 …ごめんなさい」
そう言って、
部屋のなかに入りあたしを
抱きしめる愛しい彼
「辛かったでしょ?
痛かったでしょ?怖かったでしょ?
寂しかったでしょ?…ごめん…俺」
きっと涙腺が緩み始めてる
和也の頭をあたしはふわりと抱き寄せた。
「俺、自分のことしか考えてなくて…
ていうか莉子 を失うのが恐くて…
これ以上いたら、俺あなたを失ったとき
どうなるんだろうって…」
『和也?…あなたこそ辛かったでしょ?
分かるよ?あたしはそっち側だったから…』
そう、晃のときは和也の方だった。
食欲もなくて、怖くて、辛くて…
あたしは死んでないけどきっと
同じ気持ちになったよね?
『ごめんね?
ありがとう。本当にありがとう…ね?』
「……うん…
莉子 もごめん。
ありがとう。」
あたしね?思うの…
あたし死んでも、生きてても
きっとこう思える。
あたし、幸せだった。
そして、幸せだよ?