第23章 強い心
和也はソファーで
あたしの頭を撫でてくれてる。
『……和也…』
「ん?何ですか?」
『うん…いい返事』
「何よ…あ、そういえば…」
何かを思い出したように
和也があたしを覗く。
『なに?』
「大野さんがね?
良いものくれたんで半分こしましょ?」
大野さんが?
半分こ?
あたしの頭のなかには
確実に…ハテナマークばかりだった。
『え?』
そう思ってると、
和也はふわっとあたしを抱き締めた。
「…俺たち弱いでしょ?
だから大野さんから貰ったの。
強い心」
強い心…。
『半分こ…か』
「これからも半分こです。
ねぇ…一緒に暮らしましょう。」
『…うん。』
やっぱり幸せだ。
幸せです。