第20章 大丈夫ですよね?*nino*side
「ハァ……ハァ…」
途中で俺のことが
バレそうになりそうになった。
けど、そんなことどうでもよくて…
ただ、#NANE1#のいるところへ
向かってる一心だった。
「中央病院…ハァ…
莉子 …無事でいてくれ…頼む…」
そのとき俺のソロ曲を思い出した。
こういうときに思い出さないでよ…。
“君にごはんを作って
君に好きなものを出して
でも減らない。それにも慣れたよ”
そんなことになったら、
俺…生きてけない。
そのとき莉子 の言葉を
思い出した。
『あたしより先に死なないでください。』
『あたしが死んだら0.000001秒後に
また会いましょう?』
そんなこと言わないでくださいよ。
ずっと生きて…生きて…
結婚して…子供もできて…ケンカしたり
笑いあったりそうやって年とって…
ねぇ…大丈夫ですよね?
いつのまにか俺の頬には
大粒の涙が流れていた。