第20章 大丈夫ですよね?*nino*side
〈村井先生…内科まで…〉
病院に入るとガヤガヤと
人がたくさんいた。
いつもの俺なら、
焦るけどそんな場合じゃない。
そのとき…一人の看護士さんから
衝撃の言葉を聞いてしまった。
〈石原!早く、B型の血を!
出血多量よ!
24歳、女性!早く!〉
嘘…でしょ…ねぇ…
嘘だと誰か言ってください。
俺が貪欲なこと言ったから?
住もうとか、結婚とか?
俺が…俺が…
俺は携帯のことを思い出して
震える手で携帯をとった。
確か莉子 からメールが来てた。
画面の文字を見て笑みを溢しながら
大粒の涙と声が出てた。
【本分】
ねぇ、和也
寝てるとき寝言言ってたんだよ?
それがすごく可愛くてね?
だから笑ってたの。
あたしね、幸せなの。
本当に幸せなの。ありがとう。
あたしと出会ってくれてありがとう。