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【呪術廻戦】誰も知らない

第2章 本当の私


最初に異変を感じたのは17歳になってしばらくしてからのことだった。
父の仕事を手伝おうと、漁から帰った舟の後始末をしている時。
強く、誰かに見られていると感じた。
驚いて思わず視線の感じる方を見た私が目にしたのは、遥かに広がる海だった。
さっきまで何とも思わなった波が、やけに足に絡みつく。
まるで、〝こっちにおいで〟とでも言うように。
私は怖くなって家まで逃げ帰った。
父と母にその話をしたのだけれど、『ワダツミ様が見守ってくれているのだよ』と取り合ってくれなかった。
けれど私は気づいていた。
『見守る』なんて優しいものじゃない。
『見て』いるのだ。
ただ『見て』いるのだ。
私は怖くなって海に近づくことをやめた。

それからしばらくすると夢を見るようになった。
私は暗いところにいて、耳元で何やら音がする。
遠くから寄ってくる。
近づいては離れていく。
初めは何の音か分からなかった。
そして、それが波の音だとわかり、ハッとして目が覚める。
そんな夢をひと月に一度見る。
その夢を見るのは満月の夜であることを半年過ぎてようやく気づいた。
私は夢を見るのが怖くて、満月の夜には眠らないようになった。
不思議と眠らなくても次の日の生活に影響はなかった。
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