• テキストサイズ

【呪術廻戦】誰も知らない

第9章 逃走と分与


八重は明るさを感じて目を開けた。
座敷に寝かされていた。

「目が覚めたか、八重」

少し安心したような天元の声が聞こえる。
八重は手を目の前で握り、開いてみる。
寿命を分与した直後の俗世からズレているような感覚は、今はもうない。

「八重、どこか障りはないか?」

「私はどのくらい寝ていたのでしょうか?」

「あぁ、丸一日だ」

「…そうですか。あの子たちは…?」

「お前が寝ている間に封印させてもらった。あの子ら、特に1番から3番までは特級に相当する呪物だ。封印は早い方が良かった」

「…わかりました」

「八重…」

天元が何か言いかけた。
しかし、それよりも先に八重が口を開いた。

「八重とは、私の名ですか?」

天元は一瞬八重が何を言っているのかわからなかった。
天元の表情を見て、八重は「あぁ…」と理解した。

「すみません。驚きますよね、そんなこと聞いたら」

「八重、八重はお前の名前だよ。お前に何が起こっているのか教えてくれ。眠りにつく前のお前は『寿命を分けた』と言っていた。それはどういうことだ」

「そのままです。私の持っている寿命をあの子たちに分けました。これで、すぐに死ぬことはありません。どのくらい生きられるかもわかりませんけど…」

「…そんな世界の理を捻じ曲げるような力…そんな大層な力、お前にだって代償があるはずだ」

「私が差し出す代償は私の『起源』です。今、私は自らの起源がわかりません。どこで生まれ、父母は誰なのか、名前も…」

「…お前の名前は八重だ。生まれも育ちも私が以前お前から聞いている。話して聞かせよう」
/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp