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短編【鬼滅/ヒロアカ】

第10章 聖者の熱、ヒーローの独占欲【ヒロアカ/出久夢】


雄英高校普通科に通うあたし―― の日常が、一変したのはつい先月のこと。


「……あの、さん! 僕と、付き合ってください!」

ヒーロー科の緑谷出久くんに、真っ赤な顔でそう叫ばれたのだ。

それからというもの、なぜか1年A組の生徒たち……爆豪くんや麗日さん、飯田くんたちにまで「デクの彼女(仮)」として名前が知れ渡ってしまった。


あたしは返事ができないまま、一ヶ月近くも彼を待たせていた。


出久くんは焦らせることもなく、いつも笑顔で「おはよう!」「今日も頑張ろうね」と声をかけてくれるけれど、その瞳の奥には熱い期待が常に揺れていた。

放課後、誰もいない渡り廊下。



「……い、出久くん!」

あたしは意を決して、彼のヒーローコスチュームの裾を掴んだ。

「僕に何か……、言い残したこと、あるかな?」

いつもの優しい笑顔。でも、繋いだ視線が外れない。



「……あたしも、出久くんが好きです。……ずっと、大好きだったの」

やっと絞り出した言葉。


その瞬間、出久くんの瞳が大きく見開かれ、次の瞬間にはあたしの視界が彼で埋め尽くされた。


「……っ、さん!!」

強い力で抱きしめられ、肋骨がきしむ。
「あ……い、ずくく……」
「ごめん、もう我慢できない……!」

震える吐息と共に、唇が重なった。
最初は触れるだけの、羽毛のようなキス。
けれど、あたしが彼の首に腕を回して「もっと」と応えた瞬間、彼のスイッチが完全に切り替わったのがわかった。

「ん、っ……ふ……ぁ……」

深く、深く、絡み合う。
出久くんの大きな手が後頭部をしっかりと固定し、逃げ場を塞ぐ。
いつもは「聖者」のような彼から放たれる、獣のような激しい愛の熱。
何度も何度も角度を変えて、お互いの唾液の音が廊下に響くほど、むさぼるようにキスを繰り返した。
初日だというのに、あたしたちは酸欠で膝が笑うまで、その「深い繋がり」をやめられなかった。



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