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『はつこい』

第12章 『"待つ" 時間も幸せ』


朝、インターホンの音が静かに鳴った。

ピンポーン。

「……ん」

先に目を覚ました凛人は、隣で眠っている咲を見て小さく息を吐く。

「迎え、か」

起こさないようにそっと体を起こし、玄関へ向かってドアを開けると、そこには腕を組んだ蓮が立っていた。

「……おはよ、凛人くん」

「……わるい」

蓮はちらっと室内をのぞく。

「咲、まだ寝てる?」

「今起きると機嫌悪くなるから、もうちょい寝かせてる」

「ふーん」

少しだけ間を置いて、蓮は小さくため息をついた。

「……まぁ、顔見たら元気そうだな」

「昨日よりはな」

蓮はポケットに手を入れたまま、軽く肩をすくめる。

「ほら、迎え来たって言っとけ。あいつ、帰り遅いと桜もうるさいし」

そう言いながらも、最後に少しだけ声のトーンを落とした。

「……むちゃくちゃ心配してたぞ。あいつ」

凛人は一瞬だけ目を細め、苦笑する。

「ごめん」

そのとき、部屋の奥から小さな足音が聞こえた。

「……先輩?」

少し寝ぼけた声の咲が、目をこすりながら顔を出す。

「れんにぃ……?」

「おはよ。迎え」

そう言うと、蓮は少しだけにやっと笑った。

「ほら、帰るぞ〜 早く帰んないと誰かさん元気になって狼になっちゃうから〜」

「うっせぇ」

「否定はなしと。笑」
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