第14章 『 これがふたりの「初恋」』
歓声が少し落ち着いたと思った瞬間、
「で、どっちから言ったの?」
「いつから?」
「試合の日? その前?」
一気に質問が飛んでくる。
「ちょ、待って、順番――」
困ったように笑う咲に、さらに身を乗り出す部員たち。
「キスした!?」
「おいおいそこ一番大事!」
「写真とか――」
「……もーいいだろ」
低い声で、凛人が割って入る。
「こいつに聞くな」
「なんでよー!」
すぐに返ってきた声に、凛人は少しだけ眉を寄せながらも、あっさりと言った。
「照れてんの、ほかの野郎に見せたくない」
一瞬静まり返ってから、
「うわ……」
「出た……」
「惚気えぐぅ……」
テーブルのあちこちから呆れた声と笑いが漏れる。
その横で、咲は真っ赤になりながら、
小さく袖を引いた。
「……先輩……」
凛人はちらっとだけ視線を落として、
小さく笑う。
「……ほらな」
「独占欲つよー」
「成瀬って、クールなやつだと思ってたのに……」
周りが口々に笑う中、
一人だけ肩を揺らして爆笑しているやつがいた。
「凛人www まじうける……」
蓮は腹を抱えながら、
ニヤニヤと2人を交互に見る。
「この2人のことは、俺に聞きな!
いっちゃん知ってるから、マジで」
「……お前は黙れ」
即座に返す凛人に、さらに笑いが広がる。
「だってさー、試合前とか――」
「余計なこと言ったらマジで殴る」
低い声で釘を刺され、
蓮は両手を上げて降参のポーズをした。
「はいはい、こわ。
でもまぁ……」
少しだけ表情をやわらげて、
肩をすくめる。
「よかったな、ほんと」