• テキストサイズ

『はつこい』

第12章 『"待つ" 時間も幸せ』


咲は、まだ少し赤いままの顔で、そっと手を握り直した。

「……もう少しだけ、居てもいいですか?」

凛人は小さくうなずく。

「……うん。むしろ居て」

少しの沈黙のあと、凛人がぽつりと言った。

「…咲。最後に充電していい?」

「…なんですか?」

少し首をかしげた咲に、凛人は照れたように視線をそらしながら小さく続ける。

「…もう1回、咲からキスして」

「……」

一瞬だけ固まったあと、咲はさらに顔を赤くして、そっと近づいた。

「……凛人くん…充電ちゅ…」

軽く、もう一度だけ頬に触れるキス。

離れた瞬間――

「……っ」

凛人は一気に顔を赤くして、片手で口元を押さえた。

「ちょ、待って……今の反則」

「え?」

「名前呼びでそれやるの、破壊力やばいんだけど……」

珍しく本気で照れて視線をそらす姿に、咲は少しだけ目を丸くする。

「……凛人くん?」

確かめるようにもう一度呼ぶと、凛人はさらに耳まで赤くなった。

「……だから、今それダメだって」
「ほんと…そーゆーとこ蓮て一緒だな…」

そう言いながらも、照れ隠しみたいにそっと咲の手を握り直す。

「……でも、ありがと。マジで元気出た」
/ 106ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp