第7章 『 心が揺れる音 』
夏休みに入って最初の週末、バスケ部のメンバーで川辺の広場に集まっていた。
炭の匂いと、少し強めの日差し。
みんなが準備でバタバタしている中、私は飲み物の入った袋を持ったまま、どこに置けばいいのか少し迷って立ち止まる。
「荷物そこ置いとけ。あとでまとめて持ってく」
少し離れた場所で焼き台を組み立てていた凛人先輩が、こっちを見て声をかけてくれた。
「はーい!」
言われた通りに荷物を置くと、先輩はすぐ別の部員に呼ばれていた。
その背中を、なぜか少しだけ目で追ってしまった。
「咲〜、こっち手伝って!」
「あ、うん!」
お姉ちゃんに呼ばれて、紙コップを並べたり、野菜を運んだりしているうちに、準備はあっという間に終わった。
「よし、焼くぞー!」
誰かの声で一斉に人が集まり、賑やかな空気になる。
私はマネ達が集まっているシートの端に座り、ペットボトルのキャップを開けた。
少し離れた焼き台の前では、凛人先輩たちが煙に包まれながら笑っている。
トングを持って、周りに指示を出したり、焼けた肉を皿に分けたり――いつもの部活の時と同じ、頼れる先輩の姿だった。
(やっぱり、先輩ってすごいな)