第2章 『これが『最初の1歩』の音』
☆先輩 視点☆
岩田双子に、妹がいたなんて知らなかった。
「マネージャー希望です。
岩田双子の妹、 咲です。よろしくお願いします」
そう名乗ったその子を見た瞬間、
胸の奥で、かすかに音がした。
……懐かしい。
理由は分からない。
会ったことがあるはずもないのに、
どこかで知っている気がして。
双子の妹。
ただそれだけの存在のはずなのに、
なぜか目で追ってしまう自分がいる。
この時はまだ、知らなかった。
この“違和感”が、
これから先、俺の時間を静かに動かしていくなんて。
――知らぬ間に、
なにかが動き出す音がした。