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『はつこい』

第3章 『気になる音』


指先に残る、あの一瞬。
クリームパン…と
前に好きなんですーって軽く話した飲み物。

「……嫌じゃ、なかった」

ぽつりと落とす。

双子は、顔を見合わせた。

「はい」
「決まり」

「まだ何も決まってないよ」

そう言いながら、
咲の頬はほんのり熱い。

「いいじゃん」
「初恋っぽくて」

「……初恋とかじゃない」

「その否定も、初期症状」

蓮が肩を揺らして笑う。

「凛人を気になり 勉強頑張って高校入ったんだろ?」

リビングに、少しだけあたたかい沈黙が落ちた。

テレビの音が遠くに聞こえる。

桜は、クッション越しに咲の頭を軽くぽん、と叩いた。

「まあ」
「可愛い妹が元気になるなら、それでいいよ」
「でーも、自分で "好きかも" って気づいたら教えてね?」
「うちらは 咲が 自分の気持ちで勉強頑張ってたのも知ってるし」
「普段、気持ちを中々 表に出さないからビックリしたんだよー」


「まぁ、ゆっくりでいいからな?」
「高校生活 始まったばっかりだし、」
「凛人も、からかいがいあるしな〜」
蓮が続ける。

咲は、何も言えずにクッションに顔を埋めた。

胸の奥が、
昼よりも、少しだけ騒がしい。

「ありがとう、お兄ちゃんお姉ちゃん…」

あの時 触れた指先、また少し熱くなる。
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