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白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】

第27章 ○ 2人の和解 ●


 目が覚めると、頭が割れるように痛い。枕元の時計は14時を回っている。
カーテンの隙間から差し込む冬の日差しが、目に突き刺さるようだ。立ち上がると、胃の辺りがキリキリと疼く。完全に二日酔いだ。負けた悔しさを紛らわすためとはいえ、飲みすぎたか…。いい年をして何をしているんだ…と、緒方は苦笑いをする。
 キッチンで水を一気に飲み干すと、昨夜の記憶が断片的に蘇ってくる。
ウイスキー、ホステス、タクシー、エレベーターでのキス。そして、ベッドで星歌を押し倒して、スカートの中に手を入れたこと。星歌の啜り泣く声…。
血の気が引くような感覚を覚えた。夢…じゃないよな…?急いで玄関のドアを確認すると、鍵はかかっていなかった。…やっぱり、現実だった。膝からスッと力が抜けて、立っているのもやっとだった。
 オレが星歌を守ると誓ったはずなのに、自分で一番傷つけた。吐き気がする。星歌に会いたい。会って今すぐに謝りたい。震える指で必死にメッセージを打つ。

昨日は申し訳ない。最低なことをしたと思う。どう考えてもオレが悪い。許してもらえないかもしれないが、どうしても会って謝りたい。
17時、星歌のマンションの近くの公園にいる。
来たくなかったら、無理にとは言わない。本当にすまない。

 あんなことをしておいて、この部屋に呼ぶなんてできるはずかないと思った。きっと怖がるだろう…。だから公園を選んだ。それでも、来てくれるかどうか確信は持てずにいる。送信ボタンを押してから、スマホをテーブルに置いて、ソファに身を投げだす。
 両手で顔を覆い、何度も繰り返して言った。
「…どうして、あんなことをしたんだ…」
 時計の針がゆっくりと、そして確実に、17時に向かって進んでいく。星歌は、ひどく傷ついているだろう…。来てくれるだろうか…。もし、もう会えなかったら…オレは…。後悔と絶望が、緒方の胸中に鎮座している。
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