第8章 初めての寮生活
「……高校入学して少しして、私、攫われたの……個性で出るミルクが目当てのヴィランたちだった。…………私の出すミルクには回復や、増強の効果ぎあるらしくて……。一ヶ月、私はただの『家畜』として、毎日、毎日……機械や男たちの手で、ミルクを絞り取られ続けたの」
彼女の声は震え、膝の上で握りしめた拳が白く染まる。
「……勝己くんと、ベストジーニストが助けに来てくれて…それがやっと終わって、普通の生活に戻れると思ったのに。……今回の神野の事件で、……私の『ミルク』の事と、……『勝己くんの大事な人間』だってことを知って、また、私は攫われた」
「……っ……」
緑谷は顔を伏せ、膝を叩く拳を震わせた。
彼女の口から語られる「利用」の断片。
それが何を意味するか、想像するだけで胸が裂けそうになる。
「……今度は、ただ絞るだけじゃなかった。……勝己くんを絶望させるために、勝己くんの目の前で……私をミルクのための道具として犯し続けた。……薬で頭を狂わされて、身体があいつらに馴染まされて受け入れていくのが、一番怖かった……」
「そんな、ことが……」
「ごめんなさい、出久くん。……気持ち悪いよね。私、あんなに……最後の方は、自分からあいつらのモノを欲しがって、ミルクを出して……。神野で救け出された時も、ナカはあいつらの種でいっぱいで……」
の瞳から、大粒の涙が溢れ落ちた。
緑谷は顔を赤く染め、戸惑いと衝撃に打ち震えながらも、決して視線を逸らさなかった。
「……汚れてなんてない、なんて……もう言えないよ。私の身体は、今も……あの時の感覚を覚えてて、疼いちゃうんだ。……だから……」
彼女は一呼吸置き、さらに重い事実を口にした。
「……今は、勝己くんに……その『疼き』を、処理してもらってるの。……付き合ってるわけじゃない。……でも、勝己くんの熱がないと、あたし、おかしくなっちゃうから……っ」
室内を沈黙が支配した。
爆豪が彼女を過保護に守っていた理由。
そして、彼女が爆豪に固執していた理由。
そのすべてが繋がった。
緑谷は赤くなった顔のまま、震える手で彼女の、シーツを握る手の上からそっと、自分の手を重ねた。