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その極上ミルクは誰のもの? 【ヒロアカ R18】

第6章 新しい日常


翌朝、爆豪家の食卓には味噌汁の湯気と共にどこか落ち着いた空気が流れていた。


「……光己さん、この卵焼き、すごく美味しいです」

「あら、嬉しい! ちゃん、顔色が良くなって安心したわ。しっかり食べなさいね」


光己は微笑みながら、さりげなく隣に座る息子の横顔を盗み見た。
いつも以上に不機嫌そうに飯を詰め込んでいるが、その顔は穏やかだった。
食後、爆豪が食器を片付けにキッチンへ立った隙を狙い、光己は背後に忍び寄って低い声で囁いた。


「……あんた、昨日の夜、自分が何したか分かってんでしょうね」

「あァ!? 何のことだクソババア」

「とぼけんじゃないわよ。母親の目をごまかせると思ってんの? 傷ついてる子に無理強いしてたら、私があんたをぶっ殺すわよ」


爆豪は皿を洗う手を止め忌々しそうに、けれど真剣な眼差しで母親を睨み返した。


「……あいつが、……あいつから、してくれって言ってきたんだよ。……無理やりじゃねぇ。あいつの身体が、まだ……元に戻ってねぇんだ」


その言葉に含まれた深い苦渋と、彼女を自分なりに「治療」しようとする覚悟を読み取り、光己は小さく溜息を吐いた。


「……そう。なら、あんたが一生責任取りなさい。あの子を二度と泣かせたら承知しないわよ」

「……言われなくても分かってんだよ」




数日ぶりの登校。
教室に爆豪が足を踏み入れると、一瞬でクラスメイトたちの視線が集中した。


「あれ? 爆豪、なんか今日……雰囲気が丸くなったっていうか、落ち着いてね?」


切島が不思議そうに首を傾げ、上鳴がニヤニヤしながら肩を組んでくる。


「おー? もしかして、実習中何かいいことでもあった?…可愛い女の子助けて惚れられちゃったとか?」

「あァ!? 何を根掘り葉掘り聞いてやがんだテメェら!! 死ね!! ぶっ殺すぞ!!」

「わっ、いつもの爆豪だ! 安心したー!」

「全然丸くなってねぇよ!!」


クラスメイトたちが騒ぐ中、爆豪は自席にドカッと座り、窓の外を睨みつけた。
どれだけ怒鳴り散らしても、脳裏に浮かぶのはの顔だった。


「爆豪、顔が……ニヤついてるよ」

「……っ、殺す!! 殺してやるから表出ろ!!」



教室内は爆豪の爆発音と罵声で溢れ、ようやく、彼にとっての「日常」が戻りつつあった。


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