第5章 『極上ミルク』の正体
爆豪の声は、これまでに聞いたことがないほど深く、後悔に震えていた。
彼は彼女の耳元で、懺悔するように言葉を紡ぎ出す。
「……忘れてねぇよ。……あの時、お前が嫌がってたのに……俺が無理やりお前を組み伏せて、初めてを奪った時のことだ。……あの時もお前は、今みたいに泣いてたのに……俺はお前を傷つけた」
爆豪は、彼女を抱きしめる腕にさらに力を込めた。
「……俺が、あの時……あんな最悪な形で、お前の尊厳を最初に壊した。………お前が独りでいる隙を作ったのも、全部、俺のせいだ。……あいつらがお前にした惨いことは、全部……俺が過去にお前を蔑ろにしてきた報いが、お前にいっちまったんだ……ッ!!」
「…勝己くん…っ」
爆豪の頬を、熱い涙が伝い、彼女の肩を濡らした。
「……すまねぇ……。謝って済むことじゃねぇ。……俺がお前を一番に汚した。……あいつらにお前をあんな目に合わせちまった……!! どれだけ悔やんでも、死んでも死にきれねぇ……ッ!」
爆豪は彼女の顔をそっと包み込み、涙でぐちゃぐちゃになった瞳を真っ直ぐに見つめた。
「……あいつらが注ぎ込んだ汚ねぇモンは、全部、俺が一生かけて消してやる。……お前の身体も、心も……今度は無理やりじゃねぇ。……お前がまた自分を好きになれるまで、俺が、お前を愛して、償い続ける……。だから……見捨てないでくれ……っ」
「うぅ、……っ、……っ!!」
は爆豪の首にしがみつき、泣き崩れた。
男たちに蹂躙された地獄のような日々。
その元凶のひとつに自分があるのだと認め、ボロボロになりながら謝罪する爆豪の姿に、彼女の凍てついた心がわずかに溶け始めた。
爆豪は彼女の甘いミルクの香りが混ざった体温を感じながら、二度と離さないと、心の中で何度も誓うのだったーー。