第12章 悦楽の反転
「……そうか。その気持ちがあるなら、まだ大丈夫だ」
彼はの目をじっと見つめ、力強く頷いた。
「お前をこんな身体にした奴らの思い通りにはさせない。……時間はかかるかもしれないが、お前を『普通』に戻す方法を、俺も一緒に探してやる」
それは教師としての誓いであり、一人の男としての、彼女に対する精一杯の贖罪でもあった。
「だから、諦めるな。一緒に頑張ろうな」
相澤の低くも優しい温度がこもる声がの耳に届く。
その言葉は快楽で濁りかけていた彼女の心に、一筋の清らかな光を投げかけるようだった。
「……はい、先生」
は意志を込めて頷いた。
たとえ今は、男の熱を欲して疼くこの身体に翻弄されていても。
相澤が示してくれた「未来」への道標がある限り、自分を見失わずにいられる。
「……ありがとうございます、相澤先生」
握りしめる手に、少しだけ力が宿る。
相澤はそれを見届けると安心させるように一度だけ強く彼女の頭を撫で、今度こそ静かに部屋を後にした。