第11章 毒ある慈愛の飼育
短い休息を終え、アラームの音とともに身体を起こした相澤は、自分の感覚に微かな違和感を覚えた。
(……軽い、な……)
昨夜、あれほどまでにを抱き潰し、何度も果てたはずだ。
本来なら鉛のように重いはずの四肢には、むしろ漲るような活力が宿っている。
彼女の乳房から直接啜り上げた、あの甘く濃厚な『ミルク』が消費したはずの体力を瞬時に底上げし、男としての本能を研ぎ澄ませていた。
改めて、男達の陵辱によって書き換えられた彼女の「個性」の凄まじさと、毒々しさを実感せずにはいられなかった。
職員室でいつも通りだるそうにコーヒーを啜る相澤だったが、その肌の艶、そして隠しきれない色気に真っ先に噛み付いたのは、親友のマイクだった。
「……おいおいおい! 相澤ァ! お前、なんか今日……お肌ツヤッツヤじゃねぇか!? 脂乗ってんなァおい!!」
「……うるさい。黙れ、山田」
「隠したって無駄だぜぇ! その、なんか一皮剥けたような満足げなツラ……。さては昨日、いいことあったんだろ? 誰だ? どこの女だ!?」
マイクはニヤニヤと相澤の肩を叩き、しつこく顔を覗き込んでくる。適当にあしらっていた相澤だったが、その執拗な追求と、自分一人では抱えきれなくなりつつある「背徳感」に、わずかに眉をひそめた。
「……山田。昼休み、第一指導室に来い」
「お、おう? なんだよ、改まって……。告白かぁ?」
おどけるマイクを無視し、相澤は冷めたコーヒーを飲み干した。
昼休みの静まり返った指導室で、相澤は重い口を開いた。
「……山田。これから話すことは、一部のプロヒーロー以外にも伏せる案件だ」
「……消太? 目がマジだぜ。何があったんだよ」
マイクのふざけた空気が一変する。
相澤はソファーに背を預け、掠れた声で打ち明けた。
「……のことだ。彼女の個性が、変質している。男を狂わせ、搾り取り、そして……男の精を糧に、さらに毒性を強める『媚薬』の器に成り果てている」
「……は? 待てよ、それって……」
「……昨夜、俺は彼女を抱いた。……一度や二度じゃない。教師としての理性をすべて放り出して、朝まで、何度もだ」