第10章 欲しがる者と与えるモノ
「……あ、ん、んぅ……っ♡ 勝己、くん……っ」
「……ッ、は、あぁぁ……っ!!」
放課後、爆豪の荒い吐息が耳元で弾けのナカに熱い奔流が叩きつけられた。
焦燥をぶつけるような、激しくも執着に満ちた射精。
「……はぁ、……クソ。当分は、文化祭の練習で夜も遅くなる。……今のうちに、たっぷり刻み込んどいてやるからな……ッ」
爆豪は繋がったまま、彼女の首筋に深く顔を埋めた。
週末は仮免の補講で朝早くから夜まで戻れない。
だからこそ、今この瞬間の「所有」を確かなものにしたかったのだ。は彼の背中に手を回し「楽しみにしてるね」と微笑んだ。
文化祭の練習の為爆豪が去り、シャワーを浴びて一度リセットしたは部屋で静かに本を読んでいた。
すると、控えめなノックと共に轟が姿を現した。
「……悪いな、こんな時間に」
「焦凍くん? 珍しいね。……文化祭の練習、いいの?」
「俺は裏方の担当だからな。……少し時間が空いた。……お前、大丈夫か?」
轟は椅子に座ると彼女の顔色をじっと見つめた。
彼は爆豪が先ほどまでここにいたことを、その残り香で察していたがあえて口には出さない。
「うん。……今は落ち着いてるよ」
「そうか。…………俺たちの出し物、ステージパフォーマンスで決まったよ。……、お前のクラスは何をやるんだ?」
「C組はね、お化け屋敷をやることに決まったんだよ」
「……お化け屋敷か」
轟は少し意外そうに目を瞬かせ、それからどこか真剣な顔で頷いた。
「必ず行く。……お前が驚かす役なら、俺は驚かずに、そのままお前を連れ去るかもしれないが」
「ふふ、ダメだよ。お客さんなんだから」
冗談めかして笑う。
だが、轟の視線は笑っていなかった。
「……お化け屋敷の暗闇なら、誰にも見られずに済むな。……お前の『疼き』が、その時また酷くなっていたら……暗がりに連れ込んで、俺が鎮めてやってもいいか?」
「焦凍、くん……っ」
「……爆豪も、他の男もいない場所で……俺だけに縋らせてやる」
轟の静かな、けれど逃げ場のない独占欲が部屋の空気を満たしていく。
文化祭という喧騒の裏で、彼女を巡る男たちの火花が、暗闇の中で静かに散り始めていたーー。