第10章 欲しがる者と与えるモノ
放課後のチャイムが鳴ると同時に、爆豪は教室を飛び出していた。
を迎えに行くと昼休みに体調不良で早退したとの事だった。
朝、自分の独占欲に任せて激しく抱き潰してしまった。
そのせいで彼女が早退したのだとしたらと、後悔を抱えながら爆豪は寮の彼女の部屋のドアを乱暴に叩いた。
「おい、! 入んぞッ!」
返事も待たずに中へ踏み込むとシャワーを浴び終えたのか、意外にもスッキリとした顔でベッドに座る彼女の姿があった。
「……勝己くん? おかえりなさい。どうしたの、そんなに急いで」
「どうしたじゃねぇだろ! てめぇ、体調不良で早退したって聞いて……っ。……朝、無理させたからかよ」
爆豪が気まずそうに視線を逸らしながら問うと、は少しだけ困ったように眉を下げた。
「ううん、違うの。……昼休みにね、またあの『疼き』が来ちゃって……。勝己くんや出久くんたちを探したんだけど、見つからなくて……」
「……あァ?」
「どうしても止まらなくて、狂いそうだったから……近くにいたクラスメイトにお願いして、鎮めてもらったの。おかげで今は、もう大丈夫だよ」
さらりと告げられた言葉に、爆豪の思考が一瞬フリーズした。
「……は? ……おい、今なんて言った。……誰に、何をしてもらったっつったんだよ、てめぇ……っ!!」
「だから、疼きを止めてもらったの。今はもう、落ち着いてて……」
「っの、クソアマがぁ……ッ!!」
爆豪の掌でバチバチと火花が爆ぜる。
自分以外の男に、それも名も知らねぇモブのようなクラスメイトに、猛烈な嫉妬と怒りが胃の底からせり上がる。
「どこのどいつだ、ブチ殺してやるッ! どこの馬の骨とも知れねぇ野郎に股開いてんじゃねぇぞッ!!」
「……じゃあ、どうすれば良かったの……っ!?」
の叫びが爆豪の怒りを止めた。
彼女の瞳には切実な恐怖が滲んでいる。
「あのままじゃ、私、苦しくて叫び出しそうだった……っ! 治崎が、機械が、私にしたことが……身体の中から消えてくれないの……っ。誰のでもいいから、埋めてもらわないと……壊れちゃうんだよ……っ!!」
「…………ッ」