第10章 欲しがる者と与えるモノ
「……すご、い……っ。心操くん、……こんなに、……元気なんだ……っ♡」
「あ、……ぐ、…っ……!!」
布越しに伝わる彼女の柔らかな掌の熱に、苦渋と快楽の入り混じった唸り声が漏れる。
彼は自分自身が「洗脳」されているかのように、彼女の一挙手一投足から目が離せなくなっていた。
「……心操くんの、…熱いので、……わたしを、めちゃくちゃにして……っ♡」
「……っ、いい加減にしろッ!!」
心操の怒鳴り声に近い叫びが空き教室に響いた。
辛うじて残った理性の糸を、自身の「個性」へと叩き込んだ。
「……動くな。そのまま、俺の問いにだけ答えろ」
心操の問いかけに、がピクリと身体を震わせる。
先ほどまで快楽を求めて淫らに揺れていた瞳から光が消え、人形のように虚ろな表情で固まった。
洗脳が、彼女の荒れ狂う情欲を強制的に上書きし、意識を凪の状態へと引き戻す。
「……あァ、くそ……。なにしてんだ、俺は……」
心操は荒い息を吐きながら自身の熱を鎮めるように額を押さえた。
目の前には下着を濡らし、無防備な姿で立ち尽くす少女。
「……答えろ。何があった。お前のその身体……普通の『熱』じゃねぇだろ。何があったのか、全部話せ」
洗脳下にあるは、感情の起伏を失った平坦な声で、ポツリポツリと語り始めた。
『……治崎に…ミルクを出す装置として……椅子に固定されて……。毎日、機械でナカを掻き回されながら、ミルク搾り取られたの……媚薬や電気も使われて、……勝己くんに、抱かれても……足りない……ナカが、疼いて……狂いそうに、なるの……』
「……っ!?」
心操の表情が驚愕と嫌悪、そして深い悲しみに歪んだ。
ヴィランによる凄惨な調教と蹂躙。
知らなかった真実が、その後も次々と彼女の口から明かされていった。
「……そうか。……もういい、喋るな」
男たちの私欲のために家畜同然に扱われ、心も身体も修復不可能なほどに蹂躙された少女。
洗脳下で涙を溢しながらも淡々と語られた地獄のような日々に、心操は言葉を失っていた。
「……っ、クソが……」
喉の奥から何も知らなかった自分への怒りが漏れる。
彼は震える指先で彼女の濡れた頬に触れた。
「……お前は、これからどうしたい。俺に……何を、してほしい」