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その極上ミルクは誰のもの? 【ヒロアカ R18】

第9章 囚われのお姫様


次にやってきたのは轟だった。
彼は無言でドアの前に立ち、中の気配を探るように沈黙していた。

「……。俺だ。……薬は、持ってるか」

「…………大丈夫、さっき飲んだから。……少し、頭が痛いだけなの……」

「……そうか。夜、また様子を見に来る」

冷徹なようでいて、執着の滲む声。
トガはシーツの上で指を遊ばせながら、「夜に来られたら困るなぁ」と楽しげに呟く。
彼らとの接触は最小限にしなければならない。
特に爆豪のような、直感で動く野生児は厄介だ。
トガはスマホで女子のグループチャットにメッセージを飛ばした。

『ごめんね、三奈ちゃん。まだちょっと辛いから、男子たちが来ても断ってもらえるかな……? 恥ずかしいし、ゆっくり休みたくて』

すぐさま「任せて!」「今は安静が一番だよね!」と快活な返信が並ぶ。
女子たちが防波堤になってくれれば、三人のヒーローといえど強引に踏み込むことは難しい。
やがて、廊下から一番騒がしい足音が近づいてきた。

「おい、クソ女!! どこまで出歩いて体調崩してんだ、あァ!? 開けろ!」

爆豪だ。
女子たちの制止を振り切ってドアノブを乱暴に回そうとするが、鍵は内側からかかっている。

「勝己くん……ごめんなさい、……今は、顔を見せたくないの……」

「あァ!? 具合悪いなら俺が診てやるっつってんだよ!」

「……ダメ、なの。……昨日、勝己くんにされた痕が、まだ……熱くって。そんな顔で見られるの、恥ずかしいから……」

トガは本物のが言いそうな、そして爆豪の独占欲を絶妙に煽る「嘘」を混ぜ込んだ。
廊下で爆豪が息を呑む気配がする。

「……てめぇ、……ッ! クソが、明日までには治しとけよ!」

苛立ちを壁に叩きつけるような音がして、爆豪の気配も遠ざかっていった。

「あははっ、チョロい。……本当、愛されてるねぇ」

真っ暗な部屋で、トガはのスマホを弄りながら、本物の彼女が今どんな目に遭っているかを想像し、可哀想に思いながらも、甘い溜息を漏らした。


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