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その極上ミルクは誰のもの? 【ヒロアカ R18】

第9章 囚われのお姫様



「っ、な、に……これ……っ」

「すぐ、気持ちよく眠れるお薬。……おやすみなさい、ちゃん」

チクリとした痛みの直後、視界がぐにゃりと歪んだ。
抱きしめていた「美咲」の身体がドロリと溶けるように形を変え、金髪をお団子に結った少女――トガヒミコの姿が最後に網膜に焼き付いた。

「……あ……、……か、つ、き……くん……」

助けを呼ぶ声は、力なく空気に消えた。
崩れ落ちるの身体を、トガは愛おしそうに受け止め、その頬をペロリと舐めた。

「……さぁ、楽しいパーティーを始めよう?」


薄暗い路地裏で、トガヒミコは恍惚とした表情で自分の腕を眺めていた。
どろりと溶け出す泥のような感触が彼女の全身を包み込み、次の瞬間、そこには本物と寸分違わぬ姿の「」が立っていた。

「あはっ、完璧! 声も、匂いも、この可愛いも…ぜーんぶ、私」

トガは意識を失った本物のからスマホと荷物を剥ぎ取ると、手際よく仲間のヴィランへと彼女を引き渡した。

「この子は大事に運んでね? 」

狂気的な笑みを浮かべたトガは、何食わぬ顔で路地を出て、ゲームセンターの入り口へと戻っていった。

「ちゃん! 遅いよー、どこまで行ってたの?」

待ちくたびれた様子の友人たちが駆け寄ってくる。
トガは一瞬だけ瞳を細め、すぐに特有の、少し控えめで儚げな笑みを浮かべて見せた。

「……ごめんね。美咲ちゃんと話し込んじゃって……。でも、なんだか急に……頭がふわふわして」

「えっ、大丈夫!? 顔、ちょっと青白いよ」

「……うん、ごめんね。せっかく誘ってくれたのに、今日は帰ってもいいかな……」

トガの演技は完璧だった。
少しだけ足元をふらつかせ、弱々しく友人の腕に縋り付く。

「当たり前だよ! 寮まで送っていくから!」

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