第3章 烈風の純情 ― 実弥と繋ぐ命の灯火【番外編】
実弥さんが屋敷の縁側で、娘を膝に乗せて不器用にお菓子を食べさせていると、そこへ義勇さんと伊黒さんが通りかかりました。
「……不死川。その子は、笑うと意外と……可愛いな」
義勇さんが、羨望を隠しきれない虚無の瞳でじっと娘を見つめる。
「俺にも……に似た、静かで愛らしい女の子が授かれば、あのように毎日笑いかけることができるのだが……」
「フン、富岡。お前が笑えば赤子が泣くだけだ」
伊黒さんが毒を吐きつつも、その視線は娘の手を握る実弥の手元に釘付けで…
「……だが、不死川。お前に似て気が強い女の子というのは、将来が心配だな。悪い虫がつかないよう、俺が今から見張ってやってもいいぞ。
……それより、。俺との間には、もっとしなやかで賢い女の子が似合うと思わないか?」
伊黒さんは私の隣に音もなく並ぶと、そっと私の耳元で「今夜、部屋で待っている」と独占宣言を囁きました。
そこへ、宇髄さんが豪快に笑いながら割り込んできて…
「おいおい! 実弥の娘も可愛いが、俺との間に産まれるガキはもっと派手で美形に決まってるぜ!
女の子なら三人……いや、もっといてもいいな! 雛鶴たちと一緒に、世界一華やかな女の園を作ってやるよ!」
宇髄さんの大きな手が私の肩を抱き寄せると、今度は無一郎くんが反対側から私の袖を引きました。
「……宇髄さんは声が大きすぎるよ。赤ちゃんがびっくりしちゃう。……ねえ、。実弥さんの娘、僕にもすごく懐いてるんだ。僕、女の子の扱いには自信があるよ。次は、僕との女の子を産んで。僕、君に似た子なら、何人だってお世話するから」
無一郎くんの真っ直ぐな、けれどどこか熱を帯びた瞳に、周りの空気は一気に「夜の予感」へと変わっていくのであった。
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