第2章 陽だまりの熱情 ― 炭治郎と繋ぐ命の火【番外編】
炭治郎くんとの間に授かった新しい命。
それは竈門家にとって、そして鬼殺隊の仲間たちにとっても、暗い夜を照らす本物の「太陽」のような存在となった。
炭治郎くんのパパぶりは、もはや神業に近いもので。
赤ちゃんが少しでも身じろぎすれば、彼はすぐさま駆けつけます。
「……あ、この匂いは……おむつだね! 今すぐ替えるよ!」 「……くんくん。よし、今度は少しお腹が空いた匂いだ。さん、準備をお願いできるかな?」
自慢の鼻をフル活用し、赤ちゃんの欲求を100%的中させる炭治郎くん。
おむつ替えも着替えも完璧にこなしますが、問題はその「感受性」でした。
「う、うわぁぁぁん! さん見てくれ、笑った……! 今、この子が俺を見て笑ったんだ……! なんて健気で、優しい子なんだぁぁ!」
赤ん坊が指を握れば泣き、あくびをすれば感動し、寝顔を見れば「生きていてくれてありがとう」と号泣。
毎日、幸せの涙で目を腫らしながらも、その顔はこれ以上ないほど幸福に満ち満ちていた。
そんな幸せオーラ全開の炭治郎パパを、面白くなさそうに(けれど少し羨ましそうに)見ていたのが実弥さんです。
「ケッ……鼻の下伸ばしやがって、あのスカポンタンが……」
赤ん坊を抱く炭治郎くんを横目に、実弥さんは私の腰を強引に引き寄せ、耳元で低く唸りました。
「おい、。あのガキにばかり構ってんじゃねェぞ。炭治郎の次は俺だ。風のように強くて、俺に似た最高に格好いいガキを産ませてやる。
……今夜は寝かさねェからな。覚悟しとけよォ!」
嫉妬を剥き出しにしながらも、その瞳には私への深い情熱と、「自分も父になりたい」という切実な願いが宿っていた。
実弥さんの気合の入り方に、私は今夜の体力を心配しつつも、愛おしさに胸が熱くなった。
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