第1章 禪院家の落ちこぼれは… 【呪術廻戦 禪院直哉】
「あ、あぁぁーっ! ぁ、は……っ、……っ!!」
白目を剥き、よだれを零しながら絶頂へと突き落とされる。
しかし、直哉の手は止まらない。
意識が遠のき、世界が白く染まっていく中で、彼の冷たい嘲笑だけが耳の奥にこびりついていた。
「お前の身体は一生、僕のモンや。一生、この感覚を忘れられんようにしたるわ」
縄の跡と、身体の芯に残る激痛。
直哉の呪縛は、魂に深く、消えない烙印を刻み込んだ。
引き裂かれ、乱れた制服。
背後で固く縛り上げられた手首。
その無惨な姿のまま、いのりは夜通し、直哉の嗜虐心の捌け口にされた。
「……は、あ……っ……ひ、ぅ……」
喉は枯れ、瞳からは涙さえ枯れ果てていた。
直哉は最後の一滴まで彼女の中に叩き込むと、事切れたように横たわる彼女を一瞥もせず、乱れた衣服を整えて部屋を出た。
「誕生日おめでとう、いのり。一生忘れられん贈り物になったな」
その言葉だけを残して。
いつもと同じ、放置。
縛られたまま、汚されたまま。
床に転がされた彼女の視界には、窓から差し込む冷たい月光だけが映っていた。
今日は、彼女の誕生日だった。
本来なら大人として認められ、自由への切符を手にするはずの日。
けれど現実は、ただ縄の食い込む痛みと、体内に残る直哉の熱が、彼女が「誰のものでもない自分」であることを否定し続けている。
「……た、すけ…て……」
声にならない掠れた音が、唇からこぼれた。
高専に行けば変われると信じていた。
けれど、直哉という呪いは、この家という檻は、彼女の魂をもうボロボロに食い尽くしてしまった。
(誰でもいい……ヒーローなんて、この世界にはいないって知ってるけど……)
意識の混濁した頭で、彼女は幼い頃に夢見た「救い」を願った。
この汚れきった身体を、痛む心を、どこか遠くへ。
直哉の声も、禪院家の冷たい空気も届かない、誰も自分を知らない場所へ。
「連れ出して……お願い……もう、消えてしまいたい……」