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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】

第2章 現代最強は彼女を手放さない 【呪術廻戦 五条悟】


五条の背中から立ち昇る殺気は、高専の結界を震わせるほどに苛烈なものだった。
報告書を握りつぶし、彼がまさに「瞬間移動」で京都へ跳ぼうとしたその時、背後から縋りつくような細い腕が彼の腰を抱きしめた。

「——待って、先生! 行かないで……お願い!」

怪我を負っているはずのいのりが、裸足のまま、息を切らしてそこに立っていた。

「退いて、いのり。君が止めることじゃない。……あいつが君にしたことは、万死に値するんだよ」

五条の声は冷徹だった。
けれど、背中に伝わる彼女の震えが、わずかに彼の足を止めた。

「知られたくなかった……こんな汚い話、先生には、絶対に……っ」

いのりの声は涙に濡れていた。
憧れの存在であり、自分を救い出してくれた五条にだけは、自分が直哉に「胎」として扱われていた惨めな姿を知られたくなかった。

「もういいの。私は逃げてこられた。……五条家と禪院家の均衡を壊さないで。私のために、先生が泥を被る必要なんてないっ、!」

「均衡? そんなの、僕にとってはゴミ同然だよ。君一人の涙より価値のないものだ」

五条は振り返り、彼女の肩を強く掴んだ。
その瞳には、彼女への慈しみと、制御不能の破壊衝動が混ざり合っていた。

「嫌、先生が人殺しになるのを見たくない……! お願い、ここにいて。私のそばにいて……!」

必死に涙を流し、自分の胸に顔を埋める彼女。
その体温と、自分を失いたくないという切実な言葉に、五条の狂気じみた怒りは、やり場のない、重く暗い独占欲へと形を変えていった。

「……わかったよ。君がそこまで言うなら、今は行かない」

五条は深くため息をつき、彼女を横抱きにした。
その腕の力は、二度と離さないと誓うように強かった。

「でもね、いのり。もう誰にも君を触らせないし、見せもしない。……それが僕が落ち着くための、最低条件」
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