第5章 その一瞬を切りとる君 【ハイキュー!! 宮侑】
「……自分、先頭行けや」
「ええよ!ゾンビの顔近くで見たいし!」
🌸は迷うことなく先頭に立ち、鼻歌でも歌い出しそうな足取りで進んでいく。
その後ろを、全国トップクラスの高校生バレープレイヤーたちが、互いの背中を丸めて数珠繋ぎでついていくという、なんとも情けない光景が繰り広げられた。
「……ヒッ! 今、なんかおった!」
「サム、押すなや! 前が見えん!」
「ツムが止まるからやろ! はよ行け!」
「あ、見て! このゾンビ、服の破れ方が芸術的やわー。かっこええ!」
前を行く🌸は、暗闇から飛び出してくるゾンビを怖がるどころか、身を乗り出して観察している。
ゾンビ側も、ニコニコと近づいてくる少女に一瞬戸惑っているように見えた。
その時、後方からガタガタと大きな音が響き、チェーンソーの爆音が鳴り渡った。
「後ろから来た! 走れ走れ!!」
「うわあああ! 銀、どけ!!」
パニックに陥って団子状態になる四人を振り返り、🌸は腹を抱えて笑い出した。
「あははは! なにその顔! 侑くん、新聞の写真よりええ表情しとるよ!」
「笑うなアホ!! これ、写真に撮られてたら一生の不覚やぞ!!」
命からがら出口の光へ向かって全力疾走する四人と、その後ろを「あー、面白かった!」と余裕の笑顔で追いかける🌸。
パークの出口に転がり出た侑は、激しく乱れた髪を直すのも忘れ、地面にへたり込んで彼女を睨んだ。
「……自分、ほんま……性格悪いわ……」
「最高の褒め言葉やね! さ、そろそろホ◯ナイの時間だね!ストリート見に行くよ! 立ち止まってる暇はないんやから!」