第5章 その一瞬を切りとる君 【ハイキュー!! 宮侑】
「……自分、おもろいわ。治、こんないい子と仲良くしてたんか」
「せやから言うたやろ。お前みたいな騒がしいのと違って、話が合うんや」
「うるさいわ! ……なぁ、🌸。今度また練習試合あるんやけど、撮りに来いや。お礼に、次はもっとカメラ意識して男前に写ってやるから」
「あはは、営業活動? 気が向いたらね」
軽く流される感じもまた、侑の好奇心をさらに刺激する。
「またな」と手を振る彼女の後ろ姿を見送りながら、侑は無意識に、次の試合で「最高の一枚」を撮らせてやろうと意気込んでいた。
「……なぁ、侑。これ、何の時間?」
角名が死んだ魚のような目で、電柱の陰からスマホをいじりながら呟いた。
隣では銀島が周囲の視線を気にして顔を伏せ、治にいたっては「腹減った、もう帰る」と力なく訴えている。
「シーッ! 声がデカいねん、お前ら! 今は極秘任務中やぞ!」
侑はと言えば、刑事さながらの鋭い視線を前方の角に注いでいた。
インターハイ後、何度か🌸を練習試合に誘ったが、返ってくるのは「ごめん、今めっちゃ忙しい時期なんだよね」という、にべもない断り文句。
バイトをしてるとは聞いているが、毎日シフトが入っている様子もない。
「……あ、出てきた!」
侑が指さした先、校門から出てきた🌸は、いつもの制服姿に大きなリュックを背負い、足早に駅へと向かった。
「 どこ行くんやあいつ……」
「……ストーカーで通報されても知らんで、俺」
「銀、お前ももっと隠れろ! ターゲットを見失うやろ!」
四人の大男がゾロゾロと女子生徒の後をつけ、電車を二回も乗り継いで降り立ったのは――。
「……ここ、ユ◯バやんけ」
「あいつ、放課後に一人でユ◯バ行くんか……?」
巨大なゲートと聞き覚えのあるBGMが漂う駅前。
🌸は迷いのない足取りで、慣れた手つきで年パスを提示し、手荷物検査をスルッと通り抜けてパークの中へ消えていった。