第4章 ファインダー越しの君 【ハイキュー!! 黒尾鉄朗】
「……好きだ。大学に行っても、この先何年経っても、俺の隣でお前が笑っててほしい。……俺の彼女になってくんねーか」
静かなテラスに、黒尾の低く、熱を持った声が響く。
🌸は一瞬、息を呑んだ。
それから、じわじわと頬を赤く染め、今にも溢れそうな涙を堪えるように何度も何度も頷いた。
「……うん。……私も、ずっとクロが好きだった。……嬉しい……っ」
その言葉を聞いた瞬間、黒尾の肩からふっと力が抜けた。
彼は愛おしさに耐えかねたように、彼女の震える肩を抱き寄せ、耳元で「……おせーよ、バカ」と小さく笑った。
「ほら、着けてやるから。こっち向け」
不器用な手つきで、ネックレスを彼女の首筋へと回す。
冷たい金具が肌に触れるたび、二人の距離はさらに縮まり、黒尾の心臓の音が彼女の背中にまで伝わっていった。
「……似合ってる。……これでもう、他の奴撮らせる暇なんてねーぞ」
「ふふ、……当たり前でしょ。私の『特別フォルダ』はクロだけでいっぱいなんだから」
夜景を見守る海風の中で、二人はどちらからともなく、ゆっくりと唇を重ねた。
夢の国で結ばれた二人の魔法は、閉園の時間を過ぎても、きっと解けることはないーー。
*おまけ*
閉園のゲートを抜け、夢の魔法が少しずつ夜風に溶けていく帰り道。
二人はどちらからともなく手を繋ぎ、心地よい疲れに身を任せて駅へと歩いていた。
黒尾は、ネックレスが街灯の光にきらめく彼女の横顔を見ながら、ずっと気になっていた「禁断の質問」を投げかけることにした。
「……なぁ、前にお前と一緒にいたあの三人のことなんだけどよ」
「あ、師匠たちのこと?」
「し、師匠……?」
その呼び名に、黒尾は眉を跳ね上げた。
「そうだよ。パークの中で仲良くなったカメラ仲間。あの人たちは構図の組み方が天才的なの。他にも、共通の趣味で繋がった友達はたくさんいるよ。男女問わずね」
「……へぇー。他にもいんのかよ、ああいう連中が」
黒尾の声が少しだけ低くなる。独占欲が顔を出しかけたが、🌸はそれに気づかず、楽しそうに続けた。