第1章 君を追いかける 相手 :相澤消太
「おいおい、見てくれよ🌸ちゃん! このテラス席、絶景だろ? 消太みたいな暗いヤツとじゃ、一生来ないような場所だぜ!」
マイクがドライブがてら連れてきてくれたのは、海を一望できるイタリアンレストランだった。
潮風が心地よく、真っ青な水平線が目に飛び込んでくる。
家の中にいた時のどんよりとした湿度が、マイクの陽気なトークと鮮やかな景色に少しずつ塗り替えられていく。
「……本当、綺麗。ありがとうございます、マイクさん」
「いーのいーの! 🌸ちゃんのスマイルなしじゃ、この快晴がもったいねーからな!」
マイクは運ばれてきた華やかな前菜を前に、「映えだぜ!」と騒ぎながら、慣れた手つきでスマホを構えた。
「ほら、🌸ちゃんもフォーク持って! こっち向いてー、イェーイ!」
「えっ、あ、はい……っ」
不意打ちで向けられたレンズに、🌸は戸惑いながらも、少しだけ頬を緩めてピースサインを作った。
マイクはその瞬間を逃さずシャッターを切ると、すぐさまテーブルの下で「送信」ボタンを連打した。