第3章 幼馴染は卒業します 【ハイキュー!! 孤爪研磨】
研磨がひょいと手を伸ばし、🌸の額に触れようとする。
その瞬間、遠くから「キャーッ!」というマネージャーたちの小さくも鋭い悲鳴(歓喜)が聞こえてきた。
🌸は咄嗟に研磨の手をパシッと叩き落としてしまった。
「……あ」
「…………」
気まずい沈黙。
研磨は叩かれた自分の手を見つめ、それからさらに暗い瞳で🌸をじっと見つめた。
「……嫌だった?」
「ち、違うの! 違うんだけど、その、今はちょっと……っ」
「おーおー、朝から盛大に振られてんねぇ、研磨さん」
そこへ、全てを察している黒尾がニヤニヤしながら割って入った。
「クロ、うるさい。……🌸、どうしたの。昨日まで普通だったのに」
「研磨、お前ねぇ。女の子には色々事情があるの。……なー、🌸? 昨日の夜は、マネさんたちの部屋ですごい『熱い』話で盛り上がってたのかな?」
「っ…、クロ、変な事、言わないでよ!」
顔を真っ赤にして黒尾をポカポカと叩く🌸。
黒尾は「痛ぇな、おい」と言いながら🌸の肩に手を回そうとした瞬間。
研磨が音もなくその間に割り込み、黒尾の手を無表情で弾き飛ばした。
「……触んないで。クロ、早く練習戻って」
「おぉ、怖い怖い。……ほら🌸、研磨が怖いから俺は逃げるわ」
嵐のように去っていく黒尾。
残された二人の間には、気まずいような、けれどどこか熱を持った空気が漂う。
「……研磨。あの……」
研磨はドリンクボトルのカゴを掴むと、俯いたままボソリと付け加えた。
「……変な反応されるのは、落ち着かないけど。……避けられるのは、もっと嫌。……だから、普通にしてて」
「……うん。ごめんね、研磨」
🌸が申し訳なさそうに笑うと、研磨は一瞬だけ彼女の目を見て、すぐに逃げるように体育館へと戻っていった。
その足取りが、いつもより少しだけ速いことに、マネージャーたちはまた「生暖かい視線」を送るのだった。