第3章 幼馴染は卒業します 【ハイキュー!! 孤爪研磨】
「なんだよ。俺とお前の仲だろ? なー、🌸。俺たち、お似合いだろ?」
「ちょっ、変なこと言わないで! ……すみません、この人いつもこうなんです!」
必死に弁明する🌸を見て、他校の部長たちは「おいおい、公開ノロケかよ」「連れてくるなよそんな可愛い子、試合に集中できねーだろ!」と、いいように冷やかし始める。
その輪から少し離れたところで、研磨は荷物を抱えたまま、その光景を氷のような瞳で見つめていた。
「……あー、研磨。顔、怖いぞ。般若みたいだ」
隣で夜久が呆れたように声をかけるが、研磨の耳には届かない。
自分の知らないところで、黒尾が勝手に🌸を「自分の所有物」のように扱い、周りもそれを面白がって囃し立てる。
🌸が必死に否定すればするほど、仲の良さが際立って見えるその空気が、耐え難いほど不愉快だった。
「……🌸、行こう。荷物、重い」
研磨は会話の輪を無視して、🌸と黒尾の間を割って入るようにズカズカと歩き出した。
「おっと、研磨さん、そんなに急がなくても……」
「……クロ、うるさい。……🌸、こっち来て。ドリンクの準備、手伝って」
研磨は🌸の腕を掴むと、黒尾から引き剥がすように自分の側へと引き寄せた。
「えっ、あ、うん。研磨、待って……!」
「……待たない。……早く行こう」
一言も黒尾と目を合わせることなく、研磨は🌸を連れて体育館へと消えていく。
「……あーあ。研磨のやつ、完全にキレてんじゃねーか」
木兎が首を傾げる横で夜久がぼやくが、黒尾は一人、満足げにククッと肩を揺らした。
(……いい反応。……ま、今のうちにせいぜい独占欲に振り回されとけよ、研磨)
「あ、研磨ーーー!!」
体育館の入り口から、弾丸のような勢いで飛び込んできたのは烏野の日向だった。
その明るい声に、研磨の強固な心のシャッターがわずかに上がる。
「……翔陽。……お疲れ」
「お疲れ! ……って、研磨、隣の人は? もしかして新しいマネージャー!?」