第3章 幼馴染は卒業します 【ハイキュー!! 孤爪研磨】
研磨の放つ「圧」に気圧され、リエーフは慌てて体育館の隅へと走っていった。
それを見送った研磨は、ようやく少しだけ満足そうに息を吐くと、🌸の方へと向き直る。
「……研磨、お疲れ様。リエーフくんに、ちょっと厳しくない?」
「……別に。あいつがサボってただけ」
リエーフはさっきまで、誰よりも熱心に🌸の雑用を手伝っていたが、完全なる八つ当たりだった。
研磨は🌸から手渡されたタオルを無造作に受け取ると、彼女にしか聞こえない声でボソリと告げた。
「……🌸、あいつに優しくしすぎ。バカがうつるよ」
「えっ? ……ふふ、研磨ってたまに厳しいよね」
🌸は「全くもう」と笑いながら、研磨のジャージの襟元を整えてやる。
その無防備な優しさが、他の誰にでもなく自分だけに向けられていることを確認して、研磨はようやくトゲトゲした心を鎮めた。
だが、そんな二人の様子を、お菓子を頬張りながら眺めていた黒尾が、追い打ちをかけるように声を張り上げる。
「おーい研磨! こっち来て練習付き合えよー!」
「……っ、クロ、本当に嫌い……」
研磨の静かな怒号が、体育館に虚しく響くのだった。