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*夢物語* 【夢小説短編集】

第3章 幼馴染は卒業します 【ハイキュー!! 孤爪研磨】


胸の奥が、期待で小さく跳ねる。
実は、🌸がこうして毎日研磨の隣でゲームをしているのには、理由があった。
彼女が本当に好きなのは、お菓子作りや編み物といった、どちらかと言えばインドアで女の子らしい趣味だ。
けれど、大好きな研磨が熱中しているものに少しでも近づきたくて、必死に操作を覚えたのだ。
今ではゲームそのものも楽しめるようになったけれど、一番の目的は、いつだって「研磨の隣にいる理由」を作ること。



「……研磨」
「……なに」

「怒らないでよ。次はちゃんと断るから。……ね? それより、ここ。このステージのボス、一緒に倒してくれない?」


少し上目遣いで覗き込むと、研磨は「……はぁ」と深くため息をついた。
それでも、彼は決して拒絶はしない。


「……貸して。そこ、右から回らないと詰むから」

ぶっきらぼうに言いながらも、研磨は🌸の隣に座り直す。
彼が自分のために怒ってくれたのかもしれないという淡い期待。
そして、本当は編み物よりもコントローラーを握る時間の方が長い今の生活。


(……本当は、今日作るクッキーを研磨だけに食べてほしいな……なんて言えないけど)


🌸は心の中でそっと呟きながら、自分を「攻略」してくれない幼馴染の横顔をじっと見つめた。




放課後の体育館。バレー部員たちの活気ある声が響く中、一人だけ明らかに負のオーラを纏っている男がいた。


「……研磨ー、今のセット、ちょっとトス低かったんじゃねぇの?」


黒尾がニヤニヤしながら、わざとらしく汗を拭いつつ歩み寄る。
研磨はタオルを頭から被ったまま、ボソリと呟いた。


「……クロがうるさいから。集中乱れる」

「おやおや、昼休みの、まだ尾を引いてるのかい? 研磨さん、意外と執念深いねぇ」

「……黙って」


研磨の視線は氷点下だ。
そんな二人の様子を、少し離れたところで部員たちがヒソヒソと見守っている。


「……今日の孤爪さん、いつも以上に機嫌悪くないですか?」

「黒尾に絡まれて、完全にシャッター下ろしてるな……」


リエーフが首を傾げ、夜久が「触らぬ神に祟りなしだぞ」と釘を刺している。
そんな険悪(?)なムードを打ち破ったのは、体育館の入り口に現れた人影だった。 


「あ、🌸さん! お疲れ様です!」


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